ポアンカレ予想の解にみる問題解決のアプローチ方法
NHKスペシャルでアンコールで放送された「100年の難問はなぜ解けたのか?天才数学者 失踪の謎?」を見ました。
宇宙に果てはあるのか?宇宙は一体どんな形なのか?
人類が長年、問い続けてきた謎に大きく迫るヒントが去年見つかった。百年もの間、誰も解けなかった数学の難問「ポアンカレ予想」が証明され、宇宙がとりうる複数の形が初めて明らかになったのだ。世紀の難問を解いたのはロシアの数学者グリゴリ・ペレリマン(41)。その功績により、数学界最高の栄誉とされるフィールズ賞の受賞が決まったが、彼は受賞を拒否し、数学の表舞台から消え去ってしまった。
ポアンカレ予想とは、Wikipediaによると、
ポアンカレ予想 Wikipedia
(3次元)ポアンカレ予想(Poincaré conjecture)とは「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」という予想であり、1904年にフランスの数学者アンリ・ポアンカレによって提出された。
とあります。
「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」?わけがわかりません…。ポアンカレ予想は位相幾何学という分野に分類されるのですが、この位相幾何学というものが中々の曲者です。
私は大学で数学を専攻していて、大学1年の時に位相幾何学の講義を受けたのですが、ほとんど理解できなかったのを覚えています。微分・積分や代数学とはまったく別の世界ですね。
それでも番組の中では、位相幾何学やポアンカレ予想について非常にわかりやすく解説していました。
番組の中で最も興味深かったのが、位相幾何学の専門家たちが100年かかっても解けなかった問題を、位相幾何学の専門家でないペレリマンが自分の得意な物理学や微分幾何学を使って解いてしまったという点です。
ペレリマンによるポアンカレ予想の解の説明を聞いた位相幾何学の専門家たちは、「ポアンカレ予想が解かれてしまったことに落胆し、位相幾何学でなく微分幾何学によって解かれてしまったことに落胆し、その解を自分たちがまったく理解できなかったことに落胆した」と番組の中で紹介していました。
このことは、ある問題に直面したときにその問題をどういったアプローチで解決すべきかについて考えさせられます。答えを導き出すためには、その分野の専門知識だけでは不十分なケースがあるということです。
これは、Webサイトの運営でも当てはまりそうです。やっぱりもっと本を読まないとだめですね。
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2009 年 3 月 10 日 |
カテゴリー:その他